ミネバ「マリーダ、私はラーメン二郎に出向きます」

ミネバ「マリーダ、私はラーメン二郎に出向きます」

1:忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2013/05/07(火) 19:17:07.22 ID:PSVaMUmi0

1

はい



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 19:22:56.14 ID:5UXrDVwB0

御心のままに

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 19:31:36.51 ID:mmFTNWhv0

マリーダ「……はい?」

ミネバ「聞こえませんでしたか? 私はラーメン二郎に向かうと言っているのです」バサッ

マリーダ「し、しかし姫様……確か前々日も二郎には出向いたかと……」

ミネバ「今日は26日、ズムシティ店の26(ジロー)フェアの日です」

ミネバ「何より私は開店前に並びたい。父にはその旨をお伝えくださればそれでよろしい」

マリーダ「ならば私も……!」

ミネバ「貴女は来なくていい。小食の貴女を二郎に付き合わせ苦しめるのは、ジロリアンとして恥ずべき行為」

ミネバ「店前で待たせて行列の視線に晒すなどもってのほか。二郎には私のみ出向きます」

マリーダ「……面目ありません……姫様」

ミネバ「貴女が謝ることはないのです、マリーダ。二郎は到底万人受けするようなものではないのですから」ガチャッ


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 19:40:36.64 ID:mmFTNWhv0

 ・

 ・

 ・

バナージ「成る程……」

タクヤ「それでバナージがお目付役で呼ばれたってことか」

ミコット「お姫様も大変ね」

ハロ『ジロー ジロー』

ミネバ「マリーダの心配性には困ったものね……」ハァ

ミネバ「しかし、何故お二方まで?」

タクヤ「バナージのお目付役……ってのは冗談」

ミコット「放課後にどこか遊びに行かないかって相談してたのよ、そこにマリーダさんから連絡が来たわけ」

ミネバ「……すみません皆さん、私達のわがままに付き合わせてしまって」ペコリ

バナージ「気にしないでよオードリー、ラーメン二郎って噂には聞いてるから、気にはなっていたし」

ミネバ「噂……ですか」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 19:47:57.88 ID:mmFTNWhv0

タクヤ「そうそう、めちゃくちゃ山盛りにもやしとかのせられてさ、食えないとオヤジから怒鳴られるとか!」

ミコット「常連がロッターを名乗ってて、ロットを乱すと【ギルティ!】って言われて恐ろしい目に遭うとか……」

バナージ「かの赤い彗星も挑戦したけど、顔を紫色にして半泣きになりながら出てきたとか……」

タクヤ「な」

ミコット「ねぇ」

バナージ「うん……」

ミネバ「……皆さん、ネットでの風評を拝見したのだと思われますが、そんなことはありません」

ミネバ「確かにラーメン二郎は少数派に好まれる類のラーメンではありますが、それ故に初見の方でも苦労せずに食べられる仕組みがあります」

バナージ「そうなのかい?」

ミネバ「初めての人を二郎に連れて行くことになるとは思いませんでしたが……興味があるなら良い機会かもしれない」

ミネバ「私が皆様を導いて差し上げます。ラーメン二郎の、可能性というものに」

ミネバ「ちなみにシャアがラーメン二郎に言って撃沈したのは本当です」

バナージ「あっ……(察し」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 19:58:13.68 ID:mmFTNWhv0

【ラーメン二郎・ズムシティ店】


ワイワイガヤガヤ

ミコット「わぁ、相変わらずすごい行列!」

ミネバ「……開店して少し経ってしまったか、私としたことが」

タクヤ「うひゃー……学生にサラリーマン、土方……見事に男ばかりだぜ!」

バナージ「いつもこんな感じなんだね、ラーメン二郎は」

ミネバ「仕方ないわ。ジャンクフードの中でも、ラーメン二郎の中毒性は強い部類に入るもの」

ミネバ「…………」チラッ

ミネバ「良かった、今日はおばちゃんの日だわ」ホッ

タクヤ「おばちゃん?」

ミネバ「ラーメン二郎は、店主が必ず麺を茹でるルールがあるため、野菜などの盛りつけはバイトがする場合が多いのです」

ミネバ「店にもよるのだけれど、バイトが日により変わる場合、盛り付けやコールの聞き方がバイト次第になるから、日による一種の【ぶれ】が生じるの」

ミネバ「ズムシティ店はおばちゃん、女子学生、フリーターがいて、フリーターや店主が盛るとかなりの量になるから危惧していたのだけれど、これなら大丈夫そう」

ミネバ(私一人ならフリーターの方が嬉しいのだけれど、ね……)


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 20:06:32.03 ID:mmFTNWhv0

【10分後】

バナージ「…………」

タクヤ「…………」

【20分後】

ミコット「…………」

ミネバ「…………」

【30分後】

ミコット「よ……ようやく半分くらい……?」

タクヤ「マジかよ……いつまでかかるんだ……?」

ミネバ「流石は26日、容易ではないか……後ろをご覧なさい」

バナージ「! うわっ、いつの間に!?」

ミネバ「一番後ろは下手をすれば一時間半以上待つことになるでしょう。混まない日もありますが、大半がカウンターだけのラーメン二郎には日常茶飯事です」

ミネバ「台風の日なら並ばないだろうと必死に店まで歩いたら、店が臨時休業だったなんてこともありましたね」

タクヤ「……そこまでして食いたいくらいうまいのか……?」

ミネバ「少なくとも、私ならば倍待とうとも食せるまでは並びます」

ミネバ「それがラーメン二郎に魅入られた者達、ジロリアンという生き物のサガなのです」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 20:15:12.25 ID:mmFTNWhv0

【そして一時間後】

店主「ラッセーィ」

タクヤ「ようやく店内か……」

ミコット「な、長かったぁ」

ミネバ「二郎は食券制です。此方で買ってください」ウィーン

ミネバ「まず大半の店が千円のみしか受け付けない食券機のはずですから、千円を持って行くと双方スムーズに事が運びますよ」ピッ

【紫】カランッ

バナージ「食券なのかい、それ?」

ミネバ「この店はこういう食券ね。他の店舗なら紙のものやしっかり記入してあるものもあるわ」

ミネバ「ちなみにこれは【大ダブル】の食券。みんなは【小】か、ミコットさんは【ミニ】を買うと良いですよ」

ミコット「えぇ……?」

おばちゃん「お客様、にんにく入れますかー?」

客「全マシマシ」

おばちゃん「はいどうぞー」ドォンッ

ミコット「ッ!!?」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 20:25:08.82 ID:mmFTNWhv0

客「おぉ……会いたかったぞ二郎!」バッサバッサ

客「この盛り付け……まさしく二郎だ!!」ワシワシワシワシ

ミコット「な……何あれ……」

ミネバ「今日のブタは当たりか。私も運がいい」フッ

タクヤ「おいおい、冗談キツいぜ……あんなに食えねえぞ!?」

ミネバ「問題はありません。あれは大を頼んだ場合の、それも無料トッピングを最大限に盛った状態です」

ミネバ「一般的にラーメン二郎の小の麺量は平均300g程度、これは一般的なラーメンやパスタの一人前が100gを超えないと考えれば、他店の大盛に匹敵する量です」

ミネバ「大ともなると500gを超え、この店のつけ麺は650g、野菜やブタの量を考えれば総量1キロに届くのも珍しくない」

ミネバ「その圧倒的ボリュームこそ、ラーメン二郎がラーメン二郎と呼ばれる所以、世にジロリアンを生む根源なのです」

ミネバ「……ですが、ラーメン二郎には基本的に【麺少なめ】があります」

バナージ「麺少なめ?」

ミネバ「はい。食券を出すときに【麺少なめで】と頼めば、小から更に減らしてくれるのです」

ミネバ「店側からしても食べられない人を苦しめるつもりはないということです。これはどの店舗でも必ず存在します」


20:食券ミス済まない:2013/05/07(火) 20:34:56.55 ID:mmFTNWhv0

ミネバ「そして無料トッピング、【ヤサイ・ニンニク・アブラ・カラメ】にも、総じて量の調整が出来ますから、ご安心を」

ミネバ「幸いこの店は麺を半分にした状態の【ミニ】が食券にありますから、ミコットさんはこれを買うとよろしいかと」

ミコット「よ、良かった……」チャリン

ミネバ「ちなみにコール、先ほどのように聞かれた場合は【ヤサイ少なめ】と答えればいいですよ」

バナージ「オードリー、君の食券の【大ブタダブル】ってのは?」

ミネバ「名前に豚が付くと、いわゆるチャーシュー麺となるの」

ミネバ「小ならば2枚ほど入っているブタが、小豚なら四枚」

ミネバ「ダブルはそこから更に二倍、豚が八枚、器に並ぶことになるわ」

客「旨いよなアレルヤァ! アレルヤァァァァァァァァ!!」ガツガツ

バナージ「あ……あんな分厚いチャーシューが八枚……圧倒的じゃないか!?」

ミネバ「それがラーメン二郎よ、バナージ」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 20:43:49.87 ID:mmFTNWhv0

おばちゃん「お客様は、四名ですか?」

ミネバ「はい」

おばちゃん「ちょっと待ちますけど大丈夫ですか?」

ミネバ「すみません、お願いします」ペコリ

バナージ「カウンターしかないのに、親切だね」

ミネバ「たいていの店は並んで座れるようにしてくれるのよ、でも訓練された集団になると並ぶことなんか無視して各々座るわ」

客「任務完了」ガタンッ

客「また残してしまった……ナタク、俺を叱ってくれ!」ガタッ

客「気にすんなよ。これでも、吐くまで食うのは得意でね!」ヒョイッ

バナージ「あ、本当だ」

おばちゃん「はい、四名様奥にどうぞー」

ミネバ「ありがとうございます」【大豚ダブル】

バナージ「……」【小】

タクヤ「うわー緊張してきた」【小】

ミコット「ううう…………」【ミニ】


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 20:56:13.09 ID:mmFTNWhv0

【そして、しばらくして】

ミネバ「二郎には無料トッピングがあります」

ミネバ「上や前の壁を見て、4つ書いてあるでしょう?」

バナージ「あるね」

ミネバ「無料トッピングは【ヤサイ・ニンニク・アブラ・カラメ】の四種類。それぞれ【少なめ・普通・マシ】があり、店によっては【マシマシ】があります」

ミネバ「ヤサイは言わずもがな、茹でたモヤシとキャベツ。量がコールにより大きく変わるから、注文は慎重に」

ミネバ「ニンニクは大半が粗く挽いたものを乗せるわ。粗いせいでかなり粒が大きかったりするから、注意して」

ミネバ「アブラは背脂ね。基本的に茹でただけのヤサイを頂いたりするのにいいけど、塊だから気をつけて」

バナージ「カラメは、何だい?」

ミネバ「カラメはスープにも使われるカネシ醤油。つまりは味を濃くするものね。ヤサイの上からかけてくれて、店によっては自分でもかけられるようにしてあることもあるの」

ミネバ「それと、ヤサイ以外はデフォルトでは入らないから、入れたければコールに含める必要があります」

バナージ「難しいな」

ミネバ「まあ、焦らなくて良いわ。普通で、とかはい、とか言えばそのままヤサイだけの基本形で出てくるから、ね」

ミコット「ヤサイ少なめ……ヤサイ少なめ……ヤサイ少なめ……ヤサイ少なめ……!」ブツブツ


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:03:39.09 ID:t+HuaBmOO

ミネバ「それと、これはルールなどではなくて助言なんだけれど」

ミネバ「ラーメンが出てきたら、なるべく麺から食べることをお勧めするわ」

タクヤ「麺から、ねぇ?」

ミネバ「ラーメン二郎を食べて失敗した人の多くは、【味気ないヤサイに手間取っているうちに麺が伸びて美味しくなくなり、ブタに苦しんで箸を置く】負のスパイラルに陥っていることが多いの」

ミネバ「ラーメン二郎は、昨今のラーメン業界の主流である【スープ主義】に逆らった【麺を味わうラーメン】。だから、麺をまず美味しく食べて、その後スープにヤサイを浸して味を付けて味わうのを勧めたいの」

バナージ「麺を食べるラーメン、か」

ミネバ「まあ、正直スープにこだわっていたら化学調味料のジャンクな感じには仕上げられないものだから……」

ミネバ「もちろんこの食べ方はあくまで一例よ。好きなように食べてもらって、構わない」

タクヤ「あいよ、参考にさせてもらうさ」

おばちゃん「大豚ダブルの方ー」

ザワッ

バナージ(店の空気が、変わった!?)


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:10:12.54 ID:mmFTNWhv0

ミネバ(それもそうか…まず二郎を知る者なら、大豚ダブルがいかに恐ろしいかを知っているもの)

ミネバ(ただでさえ奇異の視線を向けられる注文、よもやこんな小娘が食べられるとは誰も思うまい)

ミネバ(だが!!)

ミネバ「全部マシマシで」

おばちゃん「はーい」

ミネバ(おばちゃんは私を知っているから聞き返さないが、たいていコールに手間取る初心者や女性には【量が多いが大丈夫か】と忠告をする)

ミネバ(しない者もいるにはいるが、やはり二郎は客を苦しめるチャレンジメニューではないという証だな)

おばちゃん「お待たせいたしましたー」ドォンッ

タクヤ「あ……ああ!!」

バナージ「何……だと……!?」

ミコット「ヤサイ少なめヤサイ少なめヤサイ少なめヤサイ少なめ」

ミネバ「……いただきます」パチンッ


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:20:33.38 ID:mmFTNWhv0

ミネバ(このかぐわしいカネシの香り、そして立ち上るアブラの湯気が本能を揺さぶってくる)

ミネバ(豚の脂肪分の光沢がまるで宝石のよう……ラーメンでありながら麺が見えず、ヤサイを崩さねばたどり着くことすら不可能という矛盾)ワシワシ

ミネバ(嗚呼、この重々しい箸にのしかかるヤサイの山の感触よ……もやしを掻き分けながら汁に浸し、アブラ、ニンニクと共に口に運ぶ瞬間よ……っ)


パクッ


ミネバ「ッ……ッッ……」ビクンッ

ミネバ(……エクスタシー……!!)

この間、約五秒

ミネバ「」ワシワシワシワシ

バナージ「…………」

ミネバ「」ガツガツガツガツ

ミネバ、無心、無言、無表情。

ただひたすらに目の前の丼を胃に積める作業へと没頭する。

これぞ、ラーメン二郎を前にした、ジロリアンの正しき姿である!


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:28:04.70 ID:mmFTNWhv0

おばちゃん「次の方ー?」

バナージ「えっと、全部でお願いします」

おばちゃん「はーい」

タクヤ「おい、まじかよバナージ?」

バナージ「オードリーが言ってただろ? 量的にはそこまで変わらないから大丈夫だよ」

ミネバ「」ズルズルズルズル

おばちゃん「はいお待たせいたしましたー」ゴト

バナージ「ほらね」

タクヤ「ほぇー……」

バナージ「よっ……重いな」

おばちゃん「次の方ー」

タクヤ「あっ、そのままで」

おばちゃん「どうぞー」ゴト

タクヤ「うっひゃー、これで小なんだからな……全然小じゃねえよこれ」

ミネバ「」ガジガジガジガジ


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:31:41.57 ID:mmFTNWhv0

おばちゃん「ミニの方ー?」

ミコット「やっ、やさいすくなめでおねがいしますっ」カアァ

タクヤ「……気合い入ってんなぁミコット」

おばちゃん「はいお待たせいたしましたー」コトッ

ミコット「やった、普通だっ!」パアァ

ミコット「……」

ミコット「麺半分で普通ってどういうことなの……?」ズーン

バナージ「仕方ないよ、ラーメン二郎なんだから」パキッ

バナージ「じゃ、いただきます」

タクヤ「うわっ、麺太いなこれ!」

バナージ「……スープ濃いなぁ……しょっぱい……!」

ミネバ「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:36:57.93 ID:t+HuaBmOO

【そして、だいたい15分後】

ミネバ「ご馳走さまでした」コトンッ

バナージ「ご馳走さまです」コト

タクヤ「ご馳走さまー」コトリ

ミコット「ご馳走さま……」コンッ

店主「アリァタシター」

ミネバ「…………」サッサッ

バナージ「! 器を上げた後のテーブルを拭いてる……そっか、狭いからセルフサービスなのか」

タクヤ「確かに、どう頑張っても汚れるわな」

バナージ「備え付けの台拭きもある……良くできてるなぁ、本当に」

ミコット「なんでオードリー、私と殆ど同じ時間に食べ終わってんの……?」

ミネバ(久方振りの満足……)ホクホク

ガララッ

ピシャンッ


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:38:40.02 ID:Yr/PdoCG0

食べました!食べたんですよ!必死に!!

その結果がこれなんです!!

35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:41:57.62 ID:t+HuaBmOO

ミネバ「さて、どうだったかしら。初めてのラーメン二郎は?」

バナージ「なかなか面白かったよ……お腹一杯だけどっ」

タクヤ「殆ど変わらないっつっても、小でこれだもんなぁ……げぷっ」

ミコット「やだ、汚い!」

オードリー「ふふふ、では食後のティータイムといきましょうか」

バナージ「ティー……タイム?」

オードリー「ラーメン二郎と切っても切れない関係にある飲み物」チャリンチャリンピッ

オードリー「黒烏龍茶です。さ、どうぞ」ガタンッ


37:いんや違うよ:2013/05/07(火) 21:48:06.33 ID:t+HuaBmOO

ゴクリッ

バナージ「! すごい、口の中のべとつきが嘘みたいに消えていく!」

タクヤ「へぇー、こりゃあいいや!」

ミコット「あ、美味しい……」ゴクゴク

ミネバ「黒烏龍茶は脂肪の吸収を抑える飲み物、ラーメン二郎は食べたいが健康も気になる、という方には最適な飲み物です」

ミネバ「効果もさることながら、その味も評価が高く、ラーメンの合間に少しずつ飲むと味がリセットされて限界がきてしまうのを抑えられる、という人もいるくらいです」

ミコット「……それなら事前に買っておいても良かったんじゃ……」

ミネバ「私は食後派なので忘れていました、すみません」

ミネバ「でも、これでラーメン二郎の一通りの流れはおしまいです」

ミネバ「……どうだったかしら?」


38:いんや違うよ:2013/05/07(火) 21:52:46.92 ID:t+HuaBmOO

バナージ「……いやぁ……楽しかったのは楽しかったけれど、さ」

タクヤ「また来たいかと言われたら、俺はパス」

ミコット「あたしは多分二度と来ないわ。あぶらがキツいし臭いもちょっと……何より見てるだけでもうお腹一杯!」

ミネバ「ふふふ……でしょうね」

バナージ「オードリー?」

ミネバ「いえ、最初は誰もがそういうものよ」

ミネバ「ただ、二郎にはまるかどうかはそれからなのよ」

ミネバ「私も最初はそうだった、食べてみて苦しんで、二度と来るものかと誓ったほどに」

ミネバ「でも時間が経てば経つほどに、求めたの……身体が、ラーメン二郎をね」

ミネバ「あなた達も、もしかしたらそうなるのではないかしら?」


ミネバ「――いずれ分かるわ……いずれ、ね」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 21:58:11.11 ID:t+HuaBmOO

【そして、三日後】

ミネバ「マリーダ」

マリーダ「はい、姫様」

ミネバ「私はラーメン二郎に出向きます。またお父様にご報告をしておいてください」

マリーダ「また、ですか……!?」

ミネバ「今回も私だけで行きます。あなたは自分の職務を全うなさい」

マリーダ「私の役目は姫様をお守りすることであります!」

ミネバ「……マリーダ、流石にミニのヤサイ少なめを涙目になりながら必死に食べられたら、私も箸が動かなくなるわ」

マリーダ「!!!」ガーン

ミネバ「同じ理由から、バナージ達に連絡しなくとも結構。では行ってくるわ」

マリーダ「ひ、姫様!」

バタンッ

ミネバ(ごめんなさい、マリーダ……)

ミネバ「……行かねば、二郎へ!」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 22:06:02.02 ID:t+HuaBmOO

【ラーメン二郎・ズムシティ店】

スサンダイニ、ジロウハキケンナンデス!

ナラバジロリアンラシク、イタダイテイク!

サイコウノジロウガニアウ、サイコウノオレ!


ミネバ(今回は、開店前30分に来れたか……まだ三人しか並んでいない)

ミネバ(いつも一人だというのに、たまに複数で来ると、違和感があるな)

ミネバ「まあ……いつものことね」

「あっ……!」

ミネバ「?」クルッ

ミコット「オードリー……来てたの?」

ミネバ「ミコットさん、あなたどうして……」ハッ

ミコット「…………」モジモジ

ミネバ「…………」クスッ


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 22:09:28.63 ID:t+HuaBmOO

ミネバ「ミコットさん、あなたもう二度と来ないのではなかったかしら?」

ミコット「な、何よ、来ちゃ悪いって? 」

ミコット「仕方ないじゃない……食べたく、なっちゃったん、だもん」モジモジ

ミネバ「…………」クスッ


ミネバ「ミコット」


ミコット「え……?」


「ニンニク、入れますか?」


おしまい


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 22:12:42.26 ID:t+HuaBmOO

一、清く正しく美しく、散歩に読書にニコニコ貯金、週末は釣り、ゴルフ、写経

二、世のため人のため社会のため

三、Love & Peace & Togetherness

四、ごめんなさい、ひとこと言えるその勇気

五、味の乱れは心の乱れ、心の乱れは家庭の乱れ、家庭の乱れは社会の乱れ、

   社会の乱れは国の乱れ、国の乱れは宇宙の乱れ

六、ニンニク入れますか?

― ラーメン二郎三田本店 社訓


ラーメン二郎を初めて行く人に手助けになれば幸い。

マリーダさんかわいいよマリーダさん、かわいさ大豚ダブル全マシマシだよ

ではまた


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 22:13:15.92 ID:73pHdWl60



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 22:22:36.48 ID:uL2D60Tl0

乙!

面白かったぜ!

ハマーン「どこへ行くシャア」シャア「二郎だ」
http://blog.livedoor.jp/gundam2ch/archives/51830355.html